患者さまから寄せられた質問と回答集

漢方って効くまで時間かかるんですよね?

葛根湯のようにすぐ効くものもありますし、確かに長く時間がかかるものもあります。

含まれている生薬の種類が少ないほど早く効く傾向にあり、最も種類が少ない芍薬甘草湯(芍薬+甘草の2種類のみ)の場合、15秒から30秒(!)で効くと言われています。

一般的には5-10種類程度の生薬を含む漢方が多く、早ければ1週間、長くても1ヶ月程度で手応えがあることが多いです。(それ以上かかる場合は身体に合っていないことが多いため、次に有力な漢方に切り替えます)

当院で処方する漢方は「なるべく早く、なるべく効果が高く」なるようなものを優先的に選んでいますが、抗生物質のように飲んだらすぐ効くものではないことをご了承ください。

漢方って苦いですよね…。

胃腸に効く漢方は膠飴=水飴などが含まれていたりして甘くて美味しいものもありますが、そのほか多くの漢方は苦かったり辛かったり、あまり美味しいものとは言えません…。

しかし今の身体に合った漢方の場合、「あれ?そんなにマズくない……むしろちょっと美味しい?」と感じることも多いです。
身体に足りていない成分などを舌や脳が美味しく感じるのかもしれません。

これは「味証」といって漢方では大事な所見であり、美味しく感じるものはよく効きやすいことが分かっています。

普段から漢方薬を内服しています。風邪を引いてしまったんですが、葛根湯も飲んで大丈夫ですか?

風邪を引いて葛根湯を飲む場合、2-3日程度の継続内服では基本的に特に問題ありません。

麻黄(マオウ)を含む漢方を普段から内服している場合、葛根湯に含まれる麻黄と重複してしまうことで動悸などの症状が出現する場合がありますので注意が必要です。

当院通院中の場合は遠慮なくLINEなどでご相談ください。

食前に飲むべき漢方を飲み忘れました。食後に飲んでもいいですか?それとも飲まない方がいいですか?

食後に飲んでも特に問題ありません。
食前に飲んだ方が効果が高いのは確かですが、食後に飲んでも特に大きく効果が減弱するということはありません。
飲まずにスキップしてしまうのはお勧めできません、病気が治るのを遅らせてしまうかも可能性があります。

そもそも江戸時代などの漢方は、「コレとコレとコレ、家で煮出してお茶代わりに飲んでね」と生薬を渡されていました。
朝に家で自分で生薬の重さを量り、ヤカンに水と一緒に入れてかまどで煮出し、一日かけてゆっくり飲む…といった感じでお茶やコーヒーのように飲むものだったのです。

お茶は空腹を紛らわせるのに飲むことも多いですよね。
なので空腹時=食前に飲んだ方が効果が高い、というのが漢方は食前に飲む、の始まりといった感じです。

けどご飯を食べ終わった後もお茶は飲みますよね。
なので食後に飲んでもそんなに問題はありません、飲まないよりは遥かにマシです。

朝昼夕の3回飲む漢方を昼に飲み忘れたことを夕に気付きました。どうすればいいですか?

夕食前に1回分を飲み、就寝前にもう1回飲むようにしてください。
夕食前に2回分まとめて飲んでも大きな問題はありませんが、出来ればなるべく時間を空けて内服したほうが効果的です。

前問の回答の通り、江戸時代の漢方は一日かけてゆっくりと飲むスタイルでした。
なのでなるべくそれに近い形で1日3回など複数回に分けて飲むのが理想ではありますが、短気な江戸っ子なんて「てやんでぃ!」とか言いながら熱いうちに朝に一気飲みとかしてそうですよね。それでも効かないことはないかな…とは思います。

できるだけ1日3回に分ける、忘れてしまったらなるべく時間を空けて3回に分ける、それでもダメなら2回分をまとめて飲む、といったところです。

仕事の日はお昼の漢方をいつも飲み忘れがちです。昼に飲まなくていい漢方はありませんか?

一部の漢方薬はクラシエの1日2回タイプを処方できる場合もございます。ご相談ください。

1日2回タイプが存在する漢方薬一覧はこちら↓
https://www.kampoyubi.jp/effort/kb_lineup.html

3包飲むべき漢方を1包忘れていたことを次の日に気付きました。今日4包飲んでもいいですか?

ダメです。1日3包となっている漢方は最大3包までとしてください。
昨日の分は飲まずにとっておいてください。

漢方には1日あたりに摂ってよい最大量が決まっています。
4包飲むと最大量をオーバーしてしまい、思わぬ副作用が出てしまう可能性があります。

1日の内服量は必ず守るようにしてください。

漢方の粉の感じが苦手です……。飲みやすい漢方はないですか?

一部の漢方は錠剤タイプで処方することも可能です。
苦みが抑えられて飲みやすいとおっしゃる方が多いです。
(吸収に時間がかかる分、効果は粉薬より少し弱くなるかもしれないことをご了承ください)

薬局様には在庫が無い場合が多く、翌日〜翌々日などになってしまう場合もありますが、お近くの薬局で処方いただくことも可能です。
ご相談ください。

漢方の中で気を付ければいい生薬名を教えてください。

甘草、黄芩、麻黄、附子の4つです。

甘草は偽アルドステロン症
黄芩は肝障害や間質性肺炎
麻黄は動悸・頻脈・不眠などの興奮作用
附子は動悸・痺れ・嘔気などの神経作用に気を付ける必要があり、定期的な検査などのフォローが必要となります。

いずれも飲み始めの2週間〜3ヶ月程度に起こることが多いので、その間は2〜4週間に1回の受診を推奨しております。
それ以降は2ヶ月に1回程度の受診でも問題ありません。

どれも内服を中止すれば元通りに治る可能性が非常に高い副作用なので、検査をしていれば大きな問題になることはありません。

他にも長期服用で問題になる生薬はございますが、最低でも1〜5年以上の継続内服で問題になることが多いため、専門家の元で継続的にフォローされていればやはり大きな問題になることはありません。

漢方でアレルギーを起こすことはありますか?

はい、あります。

どんな物質でもアレルギーを起こす可能性があり、漢方も例外ではありません。
(世の中には水アレルギーという珍しい疾患もあります)

漢方に対してアレルギーを起こした場合、間質性肺炎や急性肝炎などに発展する場合も非常に稀ですがございます(2025年現在、日本国内で年間数人程度と思われます)。

アレルギーが疑われる症状(じんましん、まぶたが腫れる、息苦しさなど)が出た場合は当院までご相談いただくか、救急外来を受診してください。

ほとんどの場合は原因と疑われる漢方を中止すれば元通りに治りますので、漢方薬内服でアレルギーが起きた場合はまず漢方薬を中止することとなります。

高血圧や糖尿病、コレステロールも診てもらえますか?

可能です。当院で高血圧やコレステロールに対して継続的に診察を受けている患者様も多数いらっしゃいます。

糖尿病も診察は可能で、漢方も含めての処方で良好な治療経過を得られる場合もございますが、やはり糖尿病専門医の先生の綿密な治療には全く敵いません。当院での治療は軽症の糖尿病の方のみとさせていただいております。

いずれも必要な時には専門医の先生への紹介状を準備させていただきますので、当院で漢方治療を続けながら専門の先生に時々診てもらう、のような受診の仕方も可能です。
逆に専門の先生にかかりつけ医になっていただき、当院で時々漢方治療を受けるなども可能です。
お気軽にご相談ください。

痩せる漢方薬はありますか?

防風通聖散(ツムラ62番)が有名ですが、身体の状態によって合う漢方は違います。
というか、「痩せたい!」と思われる方で防風通聖散が合う方はかなり少ないです。

防風通聖散は「40-50代、男性、赤ら顔、ビール腹、汗かき、便秘気味」な方であればかなり効果が出ますが、この属性から離れるほど効果は薄くなります。
BMIが22前後の健康な若い女性の場合だと逆に体調を崩してしまう場合もありますし、肝臓に悪い影響があるだけで体重に変化を全く認めない場合もございます。

冷え性の方であれば身体を温める漢方などで代謝をあげることで基礎的な消費エネルギーを増やし、結果的に体重減少を得ることもできますし、
むくみが目立つ方なら身体の中の水分コントロールを行う漢方でむくみを抑えて体重もコントロールしやすくすることができます。

体質や遺伝、現在の身体の状態、ストレス状況によって必要な漢方は異なります。
今の貴方に合った漢方を探すお手伝いをしますのでぜひご相談ください。

漢方以外の手段で減量をお手伝いできる方法を探すこともできます。そちらもお気軽にご相談ください。

病院に行くのを忘れてしまい、漢方薬が切れてしまいました…。
次に来院するまでドラッグストアの同名の漢方薬を飲んでいてもいいですか?

はい、大丈夫です。

漢方薬は毎日飲むことで体質改善して病気を治すタイプが多いので、飲まないよりは飲んだ方が血中濃度を高く保てるのでかなりマシです。
(飲まないとせっかく上がっている血中濃度が下がってしまうのでもったいないです!)

同名の漢方薬であれば成分は同じ or かなり似ているので、とりあえず次の来院まで飲んでおくのはアリです。
しかしながら今の貴方に合った漢方かは継続的な診察(舌診・脈診・腹診など)で判断していくものとなりますし、定期的な血液検査が必要な漢方もあるので早めのご来院が推奨されます。

更に、ドラッグストアで購入するより受診して漢方薬を処方箋で貰うほうが保険が効いて安くなる場合もあります(診察料などはかかってしまいますが…)。
お時間があればぜひ受診して漢方を処方するほうがとてもオススメです。

更年期障害に漢方が良いと聞いたことがあります。処方してもらえますか?

はい、可能です。

更年期障害には当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸および抑肝散、加味帰脾湯などが役に立つことが多いです。

当帰芍薬散は主に「ストレスがあると家でシクシク泣いてしまう人」、

加味逍遙散は主に「ストレスがあると周りの人に当たってしまいがちな人」、

桂枝茯苓丸は主に「体格がしっかりしていて赤ら顔の人」、

に効くと言われているなど、性格や体格によって判別する部分もありますが、やはり最も重要なのは舌診・脈診・腹診などの診察所見で気血水のどこが阻害されているかを判断することです。

自己判断により市販の漢方薬を購入した場合、完璧には合っていない漢方でもある程度の効果は得られる可能性はありますが、漢方は効き始めるまでの時間が長めなので合わないときの時間的ロス=つらい期間が長くなるのは非常にもったいなく思います。

つらい期間を1日でも短くできるよう、最適な漢方を探すお手伝いをいたします。
いったん最適な漢方が見つかれば、しばらくは市販の漢方薬を自分で内服して様子をみるなども可能なので、ぜひ一度ご相談ください。

45-59歳の方であればプラセンタ注射(保険適用)で更年期障害を軽減することもできます。
当院でも施行可能ですのでお気軽にご相談ください。

漢方薬って副作用は無いんですよね?

いえ、副作用はあります。
漢方に含まれる一部の生薬が副作用を起こす場合があります。

甘草(かんぞう)は高血圧と低カリウム血症を、黄芩(おうごん)は肝障害を起こすことがあります。
いずれも症状が出る前に血液検査等で発見することが出来ますので、万が一副作用が出た場合は薬剤を中止してから再度血液検査を行い、正常化するのを確認する形になります。

他にも麻黄(まおう)に含まれるエフェドリンが興奮作用を来す場合がありますが、クリニックで処方されている場合は麻黄の過剰摂取がないように処方内容を考えておりますので患者さまが気を付ける必要はあまりございません。

子供に漢方薬を処方することはできますか?

はい、できます。

お腹の弱いお子様に大建中湯を処方したり、夜泣きのある子に甘麦大棗湯、夜尿症に小建中湯を処方したりなどが考えられます。
思春期の女性で生理が安定しない場合など、まだピルの内服を望まない場合に当帰芍薬散などを処方することもできます。

もちろん風邪の時に葛根湯や麦門冬湯、小青竜湯などを内服していただくことも可能です。同時に西洋薬の処方もできます。

お子様によってはどうしても漢方の味に耐えられない場合もあるかと思います。
その場合はまず水飴が含まれているため甘い味がする大建中湯で漢方に慣らしてから…などの方法が考えられます。

家庭で内服させる際は おくすり飲めたね などのゼリーで包んで飲ませても構いません。

エキス製剤より煎じ薬のほうが効果が高いんですよね?

はい、その通りです。
元々漢方自体が煎じ薬から始まっているので、それぞれの漢方に含まれる生薬の量は煎じ薬という形に最も適していることは明らかです。
飲み方としても「煎じた液体を1日かけて飲む」ほうが血中濃度を保つなどの面でも効果が高いと思われます。

しかしながら煎じ薬はやはり扱いが難しく、現代人の生活スタイルにはあまり合っていないのも確かです。
「毎朝お湯を沸かして、数分煮だした液体を朝昼晩と食間、寝る前などにお茶代わりに飲んでね」なんて仕事をしている人なら難しいことでしょう。

そんな現代人に合ったスタイルとしてサッと飲めるエキス製剤があります。
ツムラさんは凄く真面目に原産地表示や製剤の平準化にこだわった素晴らしいエキス顆粒を作ってくれていますし、クラシエさんは痒いところに手が届くような更に飲みやすいエキス細粒を出しています。

煎じ薬のほうが効果が高いのは確かですが、飲まないよりはエキス製剤を飲む方が何百倍も効果があるのは間違いありません。

当院では煎じ薬は処方しておりませんが、エキス製剤を飲むうちにもっと高い効果を実感してみたいと思った場合は煎じ薬を処方してくれるクリニックや薬局さんを尋ねてみるのも良い選択だと思います。
ぜひまず手軽なエキス製剤の力を試してみて下さい。

継続して漢方を飲む場合、通院間隔はどれくらいですか?

漢方の効果を確かめるため最初は2週間、

効果が少しでも出ていたら次は4週間、

効果がよく出ていたら次も4週間、

効果が継続していたら次からは6-8週間、

非常に安定していたらそこからは12週間毎 という形が一般的です。

途中で新しい漢方を追加したり変更した場合は同じように2週間から始める形になるので、↑のようにスムーズに行くのは正直珍しい形ではあります。

漢方の種類や併発している疾患によっては診察感覚が短くなる場合がございますし、毎月や2週間毎に診察を受けたいという希望がある方はもちろん診察することが可能です。
診察時にご相談ください。

風邪で漢方を飲む場合は何回診察を受けに行く必要がありますか?

特に問題が無い場合は1回の診察で大丈夫です。

気になる症状がある場合は再診をこちらから提案いたします。

こちらから再診を提案しなかった場合でも、「風邪は治ったんだけど咳は続いてるから薬が欲しい」などの場合はもちろんご自分で再度ご予約を取っていただき診察することも可能です。

食事や生活習慣についてのアドバイスは受けられますか?

もちろんです。

看護師や受付もおらず院長1人のクリニックのため、直接医師と話ができます。
空いている場合は次の予約枠まで使用して長くご相談いただくことも可能です。

医師の視点から食事や生活習慣についてのアドバイスをさせていただきますので、遠慮無くご相談ください。

漢方って長く飲み続けて大丈夫なのでしょうか?

漢方に含まれている生薬の種類によります。

麻黄や附子などは数時間から数日、甘草や黄芩などは1ヶ月から6ヶ月、大黄や山梔子などは1年から5年程度で副作用が出てくる場合があります。

副作用や症状が出てくる前に変化を見つけるため血液検査を行ったり、副作用が出る期間の前までには内服を中止するなどの対策が必要になります。

当院では適宜検査したり、内服期間を気がけて処方しておりますのでご安心ください。

オンライン受診は可能でしょうか?

2回目以降の診察で、状態が安定している場合は電話診察によるオンライン受診が可能です。

初回の診察では舌診・脈診・腹診などの身体所見が漢方薬の決定に重要となります。
身体に合った漢方をしっかりと選ぶために、当院では初診のオンライン受診はお断りしております。

また、血液検査などが必要な場合は対面で受診していただく必要がありますし、体調の変化があった場合も対面受診が必要となりますのでご了承下さい。

オンライン受診の場合、処方箋を送るかお薬をレターパックなどで送る形になります。
いずれの場合でも送料(実費)と手数料(500円)(※保険適用外)がかかりますのでご了承下さい。

やる気が出ない、気分が沈む、疲れやすいなどの症状があります。漢方で解決可能でしょうか。

お悩みの症状の場合、気虚や気鬱などの複合病態が疑われます。

漢方薬の選択肢としては補中益気湯や六君子湯、半夏厚朴湯などがまず選択肢に挙がります。
イライラがある場合は柴胡加竜骨牡蛎湯などが著効する場合が多いです。

多くの患者様が同様の悩みで当院を受診し、上記の漢方薬やその次に使う漢方薬等で症状が改善しています。
やる気が出ないなどの症状は西洋薬に比べ漢方薬が得意な分野でもあります。

ぜひご相談ください。

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精神科に通院しています。漢方薬での治療は可能でしょうか。

はい、可能です。

精神科での治療と並行して漢方薬での治療は可能です。
ほとんどの薬剤で漢方薬との併用にも特に問題はありません。

竜骨(りゅうこつ)や牡蠣(ぼれい)などの生薬は心を落ち着ける作用があり、焦燥感やイライラ、不安などがある場合に症状を治めるのに役立ちます。
腹診で胸脇苦満や心下痞硬、臍上悸と呼ばれる所見の有無を確認して適切な漢方薬を選択するのが大切です。

症状が落ち着かせ、精神科のお薬や漢方薬を減量していくことを目標とされる患者さまが多いです。
ご希望に合わせて漢方の観点からお手伝いいたしますので、受診時には遠慮無くご希望をお伝えください。

男性更年期のような症状があります。漢方での治療は可能でしょうか。

はい、可能です。

男性更年期の治療の原則はテストステロン補充療法で、その場合は泌尿器科などでご相談されるのが最善ですが、薬物療法のファーストチョイスは漢方薬とされています。

柴胡加竜骨牡蛎湯、八味地黄丸、補中益気湯が男性更年期の症状に効くと分かっており、70%程度の方で効果を認めます。
50歳以上の男性でうつ病の患者様は男性更年期であることが多いという研究データも出ており、治療の重要性が指摘されています。

泌尿器科に行く前に漢方薬でまず治療をしてみたい、という方はぜひ当院までご相談ください。

漢方薬では男性機能の改善はあまり見込めないことが分かっていますが、自費治療も含めてであれば男性機能についての相談や治療も当院で可能です。
お気軽にご相談ください。

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最近よく眠れない日々が続いています。漢方薬での治療は可能でしょうか。

はい、可能です。

漢方薬での治療と平行して、依存性が非常に少ない新しい世代の睡眠薬を使用してまず睡眠時間を確保し体力や気力を回復しつつ、少しずつ睡眠薬を減らして漢方薬単独での治療を目指し、最終的には漢方薬も卒業するというのが目標になるかと思います。

漢方薬としては抑肝散や加味逍遙散、柴胡加竜骨牡蛎湯や桂枝加竜骨牡蛎湯、酸棗仁湯など、

睡眠薬としてはデエビゴ、ベルソムラ、クービビックやロゼレムを当院では使用することが多いです。

不眠で悩んでいる方はぜひ一度ご相談ください。

繰り返す下痢や便秘、頻回のガスなどで悩んでいます。治療可能でしょうか。

上記症状の場合、過敏性腸症候群(IBS)が最も疑われます。
ストレスで悪化する、睡眠中に腹痛で起きることはないなどの特徴があれば更にIBSの可能性が上がります。

IBSの場合、漢方では桂枝加芍薬湯による治療が第一選択となります。
桂皮(ケイヒ)や生姜(ショウキョウ)で身体を温めつつ、芍薬(シャクヤク)で腸管筋肉の痙攣を抑える働きがあります。

効果が見られない場合は他の症状や身体所見も含め、漢方薬の適切な選択を行い治療を進めていくことになります。
思わぬ不調が結果的にIBSのような症状を呈している場合もあり、身体の不調を順番に治していくことで症状が軽くなる場合もあります。

下痢型であればイリボー、便秘や混合型の場合はポリフルなどの薬剤による治療も当院で併用可能です。
ぜひ一度ご相談ください。

貧血で悩んでいます。漢方は治療に役に立ちますか?

貧血には2つのパターンがあり、いわゆる貧血(全校朝会で倒れてしまう=自律神経障害)と、医学的な貧血(血が薄い=ヘモグロビンが足りない)場合があります。

「いわゆる貧血」は漢方薬での治療が効きやすいです。
気虚や血虚などの複合的な病態が多く、桂枝加竜骨牡蛎湯や補中益気湯、当帰芍薬散、加味逍遙散などを使用することが多いです。

「医学的な貧血」は漢方薬よりは西洋医学が得意な分野で、鉄剤の内服やビタミン剤の内服などでヘモグロビン値の上昇をはかる治療を行います。

いずれの場合でも当院で検査・治療が可能ですし、少しでも早く改善させるために漢方薬と西洋薬の併用を行うことが多いです。
サプリの鉄剤が嘔気や胃のムカつきで内服しにくい場合など、副作用が出にくい保険適応の鉄剤を試すこともできます。診察時にご相談ください。

多汗症は漢方薬で治療可能でしょうか?

はい、可能です。

全身性の多汗症を起こす疾患としてはバセドウ病、更年期障害、糖尿病があります。
当院で始めて多汗症について診察を受ける場合は、上記疾患の否定のために血液検査を行います(他院で検査した結果をお持ちの場合は省略できることもあります)。

いずれでも無い場合、原因不明の多汗症(多くは体質的なものです)として漢方薬による治療を行います。
防已黄耆湯による治療が第一選択で、無効である場合は次に補中益気湯や白虎加人参湯、五苓散などによる治療を行います。

治療の最終的な目標は漢方薬を飲まなくても多汗症がみられないところまで体質改善することですが、毎年7-9月あたりの汗が多い時期だけ漢方を飲むという形も可能です。
夏だけの内服を数年繰り返すことで多汗症が目立たなくなる場合もあります。

当院にも多汗症で受診され、漢方薬での治療で改善を認めた患者さまがいらっしゃいます。
多汗症にお悩みの方はぜひご相談ください。

舌の違和感や痛みがあります。漢方で治療可能でしょうか?

舌痛症や口腔灼熱症候群(バーニングマウス)と呼ばれる症状と思われます。

まず第一に亜鉛欠乏による舌の違和感の可能性があるため、検査を行い亜鉛欠乏がないかを確かめます。
亜鉛欠乏があれば亜鉛の補充療法を行います。

一刻も早い改善を望まれる場合、検査結果が出る前に漢方薬の治療を始めることも可能です。
気鬱による症状であれば半夏厚朴湯や柴朴湯、気虚と血虚による症状であれば補中益気湯、水毒による症状であれば五苓散など、舌診・脈診・腹診などの診察所見と自覚症状に合わせて適切な漢方薬を処方する形になります。

その他、歯科材料による症状や舌腫瘍などによる症状の可能性も考えて診察と治療を進めて行くこととなります。

足がよくつるのですが、こむら返りに効く漢方はありますか?

芍薬甘草湯がよく効きます。

芍薬には筋肉の痙攣を抑える作用があり、こむら返りの時に内服するとすぐに効きます。
遅くとも5分程度で効果があり、早い人では30秒や15秒で効果が出てくる即効性の漢方です。

他にも脇腹や肩がつる場合など、全身どこの筋肉の痙攣でも効果があります。

他にも目の周りの筋肉がピクピク痙攣するような症状にも芍薬甘草湯が効果がある場合もあります。

ですが、そもそもこむら返りなどの筋痙攣はミネラル不足が原因の場合も多いため、普段からミネラル麦茶のような飲料を選ぶことによって予防することが出来る場合もあります。
ポカリスエットのようなスポーツ飲料でもミネラルは摂取できますが、砂糖が多いため肥満などの別の疾患の原因になる場合がありますので積極的にオススメはできません。

血液検査などでミネラルが不足していないかハッキリさせることも可能です。
筋痙攣でお困りであればぜひご相談ください。

健康診断や他院での診断や治療について説明してもらうことはできますか?

はい、可能です。

専門医の先生に比べてしまうと知識も経験も少ないため深い説明は出来ませんが、診療内容についてこちらで文献を調べたりしながら勉強することで可能な限り分かりやすくお話しすることが私の使命の1つだと思っています。

「私は血圧が高いのに、何故あの先生は血圧の薬を出してくれないのかしら?」

などの疑問に出来る限りの知識でお答えいたします。
(上の疑問の答えは、例えば「まだそんなに高くないから」「他に合併症がないから」「年齢を考えると血圧を下げる理由がないから」「血流の問題で血圧の薬を出しにくいから」「下の血圧は高いけど、上の血圧は高くないので血圧を下げる薬が出しにくいから」「他の方法で血圧を下げようとしているから」など、色々な理由が考えられます。)

不妊症で治療中です。漢方でも追加で治療は可能でしょうか?

はい、可能です。

診察で気血水の状態を判断し、当帰芍薬散や加味逍遙散、桂枝茯苓丸などから適切な方剤を選択して使用することで身体の状態を整え、不妊症治療の手助けをすることが可能です。

ですが正直、産婦人科さまでの排卵誘発や人工授精などの治療に比べれば大きな効果があるとは言い難いです。
排卵しやすい身体、着床しやすい身体、妊娠継続をしやすい身体を作っていく手助けをするのが漢方の役割と考えておりますので、現在おこなっている産婦人科の治療を必ず続けながら当院で漢方内服するのが現実的な選択肢です。

不妊に悩む方は気虚や血虚、瘀血、水滞などの気血水の異常を認めることが多く、それらを治療することで基礎体力を向上させ妊娠を促していきます。

他にも多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に対しては温経湯などが有用であることが研究で分かっています。

不妊に悩まれている方は一度ぜひご相談ください。

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土日に診察してもらえませんか?

2025年9月現在、院長は土曜朝9:00-月曜朝9:00まで別の病院で日当直をしていることが多いため、長崎クリニック浜町で勤務すること自体が難しいです。
そのうち空いている土曜日に診察を始める予定です。その時はお知らせいたします。

木曜日が休診なのも毎週木曜夜に当直に入っているためで、今のところ診察は難しいです。
こちらも診察を始めるときはまたお知らせいたします。

他の休診日も大抵は当直か出張に行っているため休診となっており、申し訳ありませんが長崎クリニック浜町での対応はほとんど出来ません。ご了承ください。

薬だけ貰えませんか?

無診察診療は法律で禁止されておりますので、完全に無診察での処方は出来ません。

ですが、既に当院に通院中で安定している状態の患者さまであれば簡単な状態確認の問診と血圧測定程度の1-2分の診察でお薬や処方箋をお渡しすることは可能ではあります。

しかしながら、漢方診療の基本は丁寧な問診と舌診・脈診・腹診などの身体所見による状態の把握による漢方薬の選択であり、それを省くということは貴方のその時その状態に合致した適切な治療が行えない可能性もあることをご承知おきください。
本来は丁寧な診察が強く望まれます。

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